雑感

彼が泳いでさかのぼっている水の流れは、矢のように早いので、ついうっかりしていると、ときどき自分がばたばた水を跳ね飛ばしている場所の荒寥たる静けさに気づいて絶望におちいることがある。というのは、ちょっと手をぬいた瞬間に、それほどはてしもなく遠くまで押しもどされてしまったのである。〜F・カフカ「彼」より〜
久々の風邪のせいなのか、仕事に一区切りついたせいかなのか、浮遊したようなここ数日。常に準備が求められるこの世の中において(自然発生的なものも含めた)準備を完璧に行うということは不可能なことである。しかしながら、自分を前に進ませてくれるのはそういった感覚でもある。
明日から旅行にいく実感もいまひとつだが、逆にそういう状態のほうが充実しそうな気がしないでもない。