モスク

*「おお、カイロだ!」と思わず写真。
最も印象深い都市、といえばカイロ(エジプト)であります。決して大好きなわけではありません。ただある事情から一週間ほど滞在し、かなり市内は歩きまわっていたので思い入れはあるのです。とにかく「喧騒」のイメージ。市内は常に人ごみでバスや地下鉄も人だらけ。夜中まで人とクラクションの音、朝はコーラン。しかしある日、歩き疲れて市内のモスクに入ったときのことでした。入った瞬間、周りの喧騒がうそのように消えたのです。それは自然の音すらなく、まるで時間が止まったかのようでした。そのときの感覚は言葉に出来ませんが、「静寂とはこういうことか」と当時23歳の私は感じたのでありました。こういった経験が現在建築への興味にもつながっているのだなあ、と思います。   
その後異国感が強まる中、カイロから日本への電話で「兄ちゃん、荻窪の物件どうする?」という会話で一気に時空が歪んだのを覚えています。