そうかもしれない ー耕治人命終三部作ー 耕治人

sokulatesu2008-03-10

筆者晩年の随筆。生々しく描写される、老いていく夫婦・徐々に呆けていく妻。筆者が施設に入った妻に面会した際「こちらがご主人ですよ」と紹介され、「そうかもしれない」と応える妻とのシーンには心を打たれる。
この作品では最初から最後まで、老いの重さや不安といった要素よりも何かそれを突き抜けたような、澄んだ感じや何ともいえぬ美しさがただよう。


その他最近読んだ本メモ
「中陰の花」玄侑宗久  「鍵のかかった部屋」P・オースター  「ああ、阪神タイガース野村克也 「空間要素 世界の建築・都市デザイン」日本建築学会  「ねむれ巴里」金子光晴  

最近読みかけの(挫折しかかってる・・・)本
「普遍論争 近代の源流としての」山内志朗  「近代の終焉における フランツ・カフカ表現主義者たち」ヴァルター・ファルク(難しすぎ。古本で¥4000もしたのに・・・)  「時間の民族史」瀬戸一夫