リクエスト復刊作品

sokulatesu2008-07-02

「賢人ナータン」レッシング作 岩波文庫
*12世紀末エルサレムを舞台として、ユダヤ教イスラム教・キリスト教の三宗教の融合は可能か?この難題にたいしてレッシングの出した答えとは・・・。巧みな筋立てのうちに展開される劇詩。
最初は登場人物の背景とかがイマイチつかめないが、ある時点から急に流れにのって「で、どうなるんだ??」といった気持ちでどんどん進んでいけます。作中「スルタン」の、三つの宗教に対し「どれが真実か?」という問いに対し(これはどれを正しいと答えても罰する理由となるいわば意地悪な問い)、ナータンが用いる「三つの指輪」の寓話はわかりやすくて面白い。でも自分が日本人だからなるほどなと普通に読んでしまうが、実際その時代の当事者(そのために多くの戦争や迫害が行われた歴史を持つ国々)にとっては衝撃的なんだろうな、とも思う。
うすい文庫本だがこの¥560がとても贅沢に感じてしまう一冊。
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今度うちの横の建物が取り壊されて1年半後には11階建てマンションになるらしい。勿論日が一部さえぎられる、部屋が見下ろされるなどの難点は多いが、一番のマイナスはベランダから駅前の交差点がみえなくなることだ。特に夜中のまばらに行き交う車と淡々と規則的に変わる信号の風景が眺められなくなるのは残念だ。この「借景(?)」的要素が1LDKでも広さを感じる所以だったのに・・・。
まあ、そろそろ次に引っ越す時期ってことかな。先日申し込んだ文京区の賃貸住宅当たればいいけどー。