幸福論 アラン 岩波文庫 神谷幹夫訳

題名から何かその手の指南書的な感じがするがそうではない。「幸福とはなにか」というより、「それをどう考えるか」、をいっている感じ。個人的には「幸福論」というより「哲学入門」。
身近な例をむしろありふれた表現で挙げながらも、それなりの哲学の知識をベースにしているので、読みながらスピノザゲーテへの興味へとつながる。早速、本棚からデカルト方法序説をひっぱりだしている。

全体的に「ポジティブ思考」的にうつる嫌いもあるが、結局はその「これでよし!」と思える為にはそれなりの力が必要となる。

普段、通勤電車とかで「これ(電車)が、まわりの景色を見るためのアトラクションだったら・・・だろうな」と思って乗ることがあるが、それと全く同じことが書かれていてびっくり。また旅行についても「一度に1メートルか2メートルしか行かないような旅のほうが、100メートルいく旅よりもいい」にも同感。実際には結構むずかしいんだけどね。
*難しい言葉を使っていないうえに、もともと著者が新聞に毎回投稿していたものをまとめたものなので、非常に読みやすいのでオススメ。