東京オペラシティ アートギャラリー〜家の外の都市(まち)の中の家〜

http://www.operacity.jp/ag/
「個を保ちながらも都市とつながりをもつ『家』は可能か?」これがこの展示のテーマ。有名な3作品の展示がメイン。



例えば賃貸物件を探す時「築30年」といえば、古いなと思うのが自然な感覚。それもそのはず日本の建築、特に住宅に関しては25年のサイクルで「更新」されているとのこと。これはヨーロッパに比べると半分ほどの周期らしく、この展示のイントロダクションでは東京を俯瞰して時間の経過を表す映像があったがとそれはまるで生き物のようだった。




この「更新」され続ける「家」で都市が変化している。



そこで・・・それは都市は誰のためのものに変容しているのか?そもそも我々は何を望んでいるのか?などなど感じながらじっくりみた。単に「開いて」いるのではなく、「閉じて」いるのでもない「つながり」のある「家」とは何か?
西沢立衛〈森山邸〉 2005

とは言え、「『個』になりすぎた現代から、周辺とのつながり」と言ってもサザエさんや小津映画のような「一家団欒」「ご近所さん」的なものに戻る、というのも違うだろう。ではそれはなんだろうかと思うのだが、確か北山 恒の<祐天寺の連結住棟>での次のような説明がなかなか面白かった、というか一つのヒントのような気もした。



うる覚え)「・・・日本の住宅は昔から「縁側」などの要素や「建具」で外部との境界をつくっていて、それが周りとのゆるやかなつながりをつくっていた・・・この集合住宅にもそういう要素をいれた・・・ただし、それは住居人が選択できるものである・・・」



記憶なので文章はだいぶ違うと思う。ただし、なるほど、と思ったのは最後の「選択できる」という点。個か共同体か、という二者択一ではない点。それはネットの例をあげればSNSなんてそうかもしれない。「選択」して「つながり」をつくっている例じゃないだろうか。



ヒントといえば最後に「あたらしい都市のインデックス」として「外でも結構暮らせる」「お年寄りをもっと活かせ」「手の届く世界で暮らす」などの提言(?)は面白かった。



勿論住宅建築展示がメインであったのは言うまでもなく、とくに「森山邸」の二分の一スケールの模型は必見。凄い!ここに世の子供たちが暮らしたらいきいきしそうだ。