住宅論 篠原一男 1970年

sokulatesu2008-01-08

以下、印象に残ったところ・・・
「日本の様式は・・・例えば銀閣寺の俗世からの逃避・・・茶室の権力へのレジスタンスといったようにネガティブなエネルギーに支えられている・・・建築の伝統において戦う相手があるとすればまずそれはこの日本的感性である」
「革命とは伝統を否定したところにはじまる・・・しかし伝統を否定するのも肯定するのも、まず伝統を知るという点では一緒である・・・」
「ある様式は世間に認められたものとして確立した瞬間には生きたものではなくなっている・・・」

筆者は「これは芸術論ではなく建築論である」と言ってはいるが前に読んだ岡本太郎の本の内容と通じるものがある。筆者の思考のエネルギーをひしひしと感じる、いまだ色あせない一冊。