輪廻転生を考える 渡辺恒夫著 講談社現代新書1996

人は誰しも一度は「自分以外の世界は偽者でロボットのようなものではないか」と思ったことがあるだろう。
勿論私もその1人だが、学生時代その考えの結論めいたものがあったとすれば「自分は自分以外のすべてのものに生まれ変わる」(だから他人の気持ちを推測できる)みたいなものだった。
本書ではこれと似たような感覚をもった筆者が哲学用語を交えつつ、輪廻の思想を解りやすく説明している。
最後にその考えを「穴だらけ偏在転生観」として他の独我論・転生論と比較してまとめているところは(イマイチ腑に落ちないが)面白い。