今春読書メモ

なかなか本を読む時間がない、と思っている時は実は結構読んでいることが多い(本当にないときはそんなことを考えることもないだろうから・・・)。と、4月以降読み終わって部屋の空きスペースに詰め込まれて未整理の本達を振り返る。

「建築史的モンダイ」藤森照信 ちくま新書2008年
「夜露四苦現代史」都築響一 ちくま文庫2010年
プロ野球戦力外通告』」美山和也ほか2010年
「差別と日本人」野中広務 シン・スゴ 角川ONEテーマ21 2009年
「新編 普通をだれも教えてくれない」鷲田清一 ちくま学芸文庫2010年
「本当は偉くない?歴史人物」八幡和郎 ソフトバンク新書2009年
「知らないと恥をかく世界の大問題」池上彰 角川新書2009年
あと、
鹿男あをによし万城目学 幻冬舎文庫2007年

これ、数年前にTVドラマ化されていたらしい。その方面に疎いので知らなかったが、動画検索で見る限りそれほどつまらなくもなさそうだ。小説そのものはなかなかテンポも良くまとまっているなと思っていたら、どうやら夏目漱石の「ぼっちゃん」に似ている(真似、いう意味ではなく)らしいので、早速本棚の奥から(漱石全集を)とりだしてみる。
・・・3冊目以降は手元にすぐ読む本がないときにとりあえず本屋で見かけて引っ掛かったのを読んでいた感じで、1日+αで読み切ってしまうのはいささか勿体ない気もしたがこれは違う。
「故郷」パヴェーゼ 岩波文庫 2007年(1941年著)・・・1ページごとにその世界の空気が伝わってくる。展開云々よりもただただその世界に浸るようにゆっくりゆっくり読んでいる。

チェーザレパヴェーゼ(Cesare Pavese).

イタリアの作家(1908-1950).

ピエモンテ州サント・ステファノ・ベルボに生まれる.

ファシズム政権への批判とアメリカ文学の摂取から文学活動に入る.故郷トリノ近郊の丘陵地帯を舞台とする作品を好んで書き,また孤独と連帯のあいだで常に苦悩する姿勢を示した.レオーネ・ギンズブルクやエイナウディの創った出版社エイナウディで編集を担当し,ファシズム当局に睨まれて投獄されたこともあった.名声を確立した直後の,1950年8月27日にトリノ駅前のホテルで多量の睡眠薬をのんで自殺した.最後の書置きは,「みなを許します.みなに許しを乞います.いいね?あまり騒ぎ立てないでください」だった.