書籍

著作権の世紀 福井健策 2010年集英社新書

内容(「BOOK」データベースより) 著作権は、「作品」という情報を占有するための、最強の制度である。ディジタル化やネット化で情報の海が爆発的に広がり、作品の囲い込みが技術的に難しくなっている状況下、著作権の存在感はますます大きくなっている。世…

京阪神珈琲メモ

最近関西に行ってない。何かいい企画の美術館でもあればすぐにでも行きたいんですが・・・。 そんな中、Lマガ社からでたの久々に買いました。 おしゃれカフェは嫌いだけど、今回は珈琲メインでしっかり喫茶店もカバーしています。個人的に愛着のある大阪第一…

1922年1月23日・・・

仕事に追われた、とは今日みたいな日。そう、確実に追われていた。でもそれはたいへんでもなんでもない。ただそれだけのこと。 ◆前日深夜に読んでいたカフカの「日記」より。ー立場の安定感。ぼくはなにか特定の仕方で己を展開しようとは思わない。ぼくの望…

歴史の名著

中公文庫「世界の歴史」シリーズがなんと今年復刊していた!! http://www.chuko.co.jp/search.php?name4=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2&name1=&name2=&name3=&x=0&y=0

20XXの建築原理へ INAX出版

青山病院跡地に数人の若手建築家が架空のプロジェクトとして未来の風景を描く。 当出版社での久々に面白そうな建築シリーズ。現実のプロジェクトより、よりいきいきと建築家のイメージが伝わってくる。自分に最近欠けてる想像力を多少は刺激したかな?

少年文庫おすすめ

「エーミールと探偵たち」 エーリッヒ・ケストナー 1929年独 盗まれたお金を取り戻すべく、ベルリンを舞台に少年たちが知恵を絞って協力し、犯人を追うというお話。 「こどものための」イメージのケストナーだが、もともと演劇批評が専門で当時の出版社社長…

メルヘン風?

影をなくした男 シャミッソー著 岩波文庫 影を売って大金持ちになった男のお話。大げさ(?)にとれば悪魔に魂を売るゲーテのファウストのようだが、そこまで皮肉や哲学を押し出しているわけでもない。さっぱりした展開で純粋に楽しい作品。個人的には終盤の…

マクベスそしてリア王

シェイクスピアのように知っているつもりで実は読んでいない古典は数多い。というわけで今更ながら二冊一気に読み切る。 「リア王」といえば黒沢明の「乱」。読みながら仲代達也やピーターが想い浮かぶ。でもあの映画で好きなのは黒金(油井)と太郎嫁(原田…

利休にたずねよ 山本兼一 PHP研究所

だいたい本は普段、数冊並行読みする上に何かと読み返すものもあるから一冊読むのには結構時間がかかる。そんな中約400ページのこの本を5時間で一気に読んだのは、それが借り物であったというだけでなくそのテンポにハマったからだ。題名からして何か茶道を…

ジャック・ロンドン 死の同心円

J・L・ボルヘス編集(?)の「バベルの図書館」シリーズのうちのひとつ。 この国書刊行会って、結構面白そうな本出してますね。 http://www.kokusho.co.jp/index.html

他人ごとではない

イソップ寓話集 岩波文庫 有名な「北風と太陽」や、「三本の矢」の原型と思われる「『兄弟喧嘩をする』百姓の子供たち」などたくさんの話が2ページに3話のペースで読める。よく知られている通り、大抵は慾や悪事に走る者が痛い目にあう、という展開が多い…

伽藍が白かったとき ル・コルビュジェ 岩波文庫

本書より 〜これらの論争は何ものにも到達しません。過去の様式か、現代の様式か?というようなところに問題があるではありません。問題はこうです、人間が静かに楽しく住み、家族を育て、身体と精神を養い訓練し、最大限の個人的自由と共同的な力の恩恵を欲…

ドイツ寄り

〜最近の読んだ本メモ〜 黄金の壷 ホフマン 岩波文庫 聖なる酔っ払いの伝説 ヨーゼフ・ロート 白水社ブックス *二冊あわせてわずか550円(古本)。

ビジネス書として読むべし

学問のすすめ 福沢諭吉 岩波書店 単なる勤勉奨励ものと侮ってはならない。有名な「天は人の上に人を造らず・・・」で始まる本書では、むしろ個人は生まれながらに能力の差があるのは当然でその上で学問とは何か、なぜ必要か、いかに行うべきか、そしてその機…

心地よい惑い

路面電車 クロード・シモン 白水社 2001 病床で高熱にあえぐ老シモンと電車の運転台で得意げにする少年シモンの姿がその回想を通じて重なり合う・・・。 通常コミュニケーションとはいかにわかりやすく簡潔にするかだ(主に実用的な面では)。だがこの小…

通勤時にお薦め

潤一郎ラビリンス〜犯罪小説集〜 谷崎潤一郎 中公文庫 古本屋で200円で売ってたので買い。犯罪小説としてのくくりはおそらく著者の考えには無いだろう。人間を執拗なまでの厳しさで描いた結果が、その斬新な形につながっているに違いない。それにしても「…

最近の一冊

仕事が忙しいのは別にいい。ただその上で「時間」というカードを使いすぎると引き返しにくくなるで注意は必要だ。 そんな中今月辛うじて読んでいたのはこの一冊。 フラナリー・オコナー全短編(上)ちくま文庫 「読むと読まないとでは人間の組成そのものがま…

Camera People みんなのまち

monogramピエブックス2008年12月9日 一般公募で集められた写真から掲載された、「じぶんのまち」をテーマにまとめられた写真集。 ここにはいわゆる「素晴らしい写真」はない。名所のたぐいもない。 だが、その場所の、人の空気が伝わってくるものばかりだ。…

衝動買い

近所の古本カフェで数冊購入。最初に2冊買ったあと、15分後に迷っていたもう一冊を買いに行ったら少し安くしてくれた。ちなみに今回の購入は・・・ ベンヤミン「都市の肖像」、バロウズ「ウェスタンランド」、ラードナー「傑作短編集」。バロウズは「裸のラ…

輪廻転生を考える 渡辺恒夫著 講談社現代新書1996

人は誰しも一度は「自分以外の世界は偽者でロボットのようなものではないか」と思ったことがあるだろう。 勿論私もその1人だが、学生時代その考えの結論めいたものがあったとすれば「自分は自分以外のすべてのものに生まれ変わる」(だから他人の気持ちを推…

幸福論 アラン 岩波文庫 神谷幹夫訳

題名から何かその手の指南書的な感じがするがそうではない。「幸福とはなにか」というより、「それをどう考えるか」、をいっている感じ。個人的には「幸福論」というより「哲学入門」。 身近な例をむしろありふれた表現で挙げながらも、それなりの哲学の知識…

ドン・キホーテ セルバンテス著

最近岩波文庫に偏ってるな。 これはやばい。はまる。 課題も進まないし、仕事めんどくさい、などなど。現実逃避したい気持ちに現実逃避した話がはまっているのかな・・・? ・・・で熱が出た。呪われた作品。特に意味はないけど・・・。

今月の本棚

「読書について」「自殺について」共にショウペンハウエル著 「エウパリノス・魂と舞踊 樹についての対話」ポール・ヴァレリー著 すべて岩波文庫 *この3冊で計1500円そこそこという驚愕の事実!

ラモーの甥

*「ラモーの甥」ディドロ著。実在の人物作曲家ラモーの「甥」をモデルに「私」との対話を通して当時のフランス社会を風刺した作品。一応対話形式をとりつつも戯作というより小説として完成されているところが面白い。ヴォルテールもそうだがこのへんの作家…

リクエスト復刊作品

「賢人ナータン」レッシング作 岩波文庫 *12世紀末エルサレムを舞台として、ユダヤ教・イスラム教・キリスト教の三宗教の融合は可能か?この難題にたいしてレッシングの出した答えとは・・・。巧みな筋立てのうちに展開される劇詩。 最初は登場人物の背景…

環境問題とは

*「軍需物資から見た戦国合戦」盛本昌弘著 洋泉社 ・・・現代のように石油のない時代、ときに戦国時代においては木材が主な原料だった。その木材の確保のために森林の伐採を行った戦国大名。しかしながらその行為は自国の資源を枯渇させてしまう。その為に…

そうかもしれない ー耕治人命終三部作ー 耕治人

筆者晩年の随筆。生々しく描写される、老いていく夫婦・徐々に呆けていく妻。筆者が施設に入った妻に面会した際「こちらがご主人ですよ」と紹介され、「そうかもしれない」と応える妻とのシーンには心を打たれる。 この作品では最初から最後まで、老いの重さ…

本そのものは変わらないが、読むタイミングというものは確実に存在する。今ドストエフスキーを読めといわれても高校時代に読んだときのような「地鳴り」はないだろう(勿論その逆もありえるが)。 また、ある本からある本へと読み続けているという時というの…

ここ1ヶ月くらいに読んだ本ピックアップ 

「苔のむすまで」杉本博司、「映画のなかのアメリカ」藤原帰一、「集中講義 織田信長」小和田哲男、「『三十歳までなんか生きるな』と思っていた」保坂和志、「逆立ち日本人論」養老孟司・内田樹、「拷問と処刑の西洋史」浜本隆志、「既にそこにあるもの」大…

戦国武将を育てた禅僧たち 小和田哲男 2007年

いわゆる「お坊さん」のイメージとは違い、実際の禅僧は知識人でもあり医者、さらには大名のブレーンなど多種多様な存在でした。その禅教育を行っていた足利学校が国内では優秀な禅僧輩出機関として相当なブランド力を持っていた(さらには当時のヨーロッパ…